![ストーリー](dist/img/top/ttl_story.png)
佐之助(平間壮一/廣野凌大〈ダブルキャスト〉)は”マレビト”と呼ばれる芸能の民で、めでたいことや不吉なことがあった場所に赴き、歌や踊りを披露していた。同じマレビトの姉貴分、桃風(美弥るりか)とともに訪れたのは、とある炭鉱での社長就任式。新社長の政則(水田航生)は先代の升次郎(宮川浩)から引き継いだ会社を立て直すことを強く誓う。そこに仲間と共に乱入してきたのは幼馴染の譲治(上口耕平)。彼は坑夫として政則と対立する立場にいた。
一方、最近このムラに頻繁に出没する夜叉がいた。10年前の親殺しの犯人を探し続ける彼女の名前はトキ子(小南満佑子/山口乃々華〈ダブルキャスト〉)。会社が運営する取締隊のリーダーで政則と譲治の幼馴染でもある。この3人は幼い頃、貧しいこのヤマを「一緒に守る」と月に約束をした仲だが、大人になった彼らはそれぞれの人生を乗り切ることだけで精一杯だった。
そんな3人に心を痛めているのは、酒場「ル・ラパン」のママ、アケミ(玉置成実)。じつは彼女は、政則と異母姉弟でムラビトたちとは距離を置いて生きてきた。この店に出入りしては金を無心する健三郎(平岡祐太)は、特別扱いで雇われている坑夫で、10年前の炭鉱事故の前からこのムラに住み着き、先代社長との深い関係を常に匂わせている。
物語は、佐之助の好奇心によって動き出す。マレビトの仕事は「ヒト様の人生に区切りをつける」こと。それゆえ「ヒト様」と安易に接触することを禁じられている。しかし「ヒトの正体」を知りたい佐之助は、政則、譲治、トキ子と遭遇したことで、彼らに興味を持ち、ことあるごとに近づこうとする。そこに衝突が生まれ、友情が生まれ、容赦ない絶望も襲いかかるが、佐之助は怯まない。明るく元気に見えて、実は不安定なココロを隠し持つ佐之助。彼に寄り添い、見守り続ける桃風は、じつはヤマに関する重大な過去を知っているが、マレビトの掟を守り口をつぐんでいる。
時は1918年。米騒動という市民運動の影響を受け大きく揺れるこのヤマで、果たして3人の幼馴染はこのヤマを一緒に守るという「古い約束」を果たすことが出来るのか。マレビトの佐之助は「ヒトの正体」を見抜くことが出来るのか。悪い過去が暴かれ、今を見失い、未来がおびやかされても、ヒトは戦い続けることが出来るのか。
悪党ながらもヤマの人々を見守る警察署長の崎島(大堀こういち)、飲んだくれ坑夫の留吉(加藤潤一)、その妻で運動に目覚めたお花(礒部花凜)、坑夫達のリーダー森田(吉田広大)、元マレビトの松(遠山裕介)と香(大月さゆ)、そして多くの男女坑夫たちを巻き込んだ物語は、それぞれの未来を賭けたクライマックスに向け一直線に進んでいく。
![相関図](dist/img/top/story_diagram.png)
![](dist/img/common/bg_deco_story.png)